空論の法則

電荷間に作用する言葉の相互作用

甘ったるい神話

今のように科学も論理的な思考法も発達していなかった古代では、よくわからない自然現象になんとか説明をつけるために、ものがたり、すなわち神話が作られたという。

 
「でなでな、それな、オ↑レ↓もやってみたいねんな」
「ほぉ~、なんやわからんけど面白そやな。ほなら、どうなるかちょっとやってみい」
 
やってみた。
 

 

世界がまだ平穏で、呑気で、牧歌的だった頃、大地にはどこまでも交換可能な土地が広がっていた。
 
見渡す限りのセブンイレブンユニクロ、そしてスターバックスコーヒー。遊牧民ノマドたちは土地から土地へ移動しながら、行き着く先々でチェーン店を満喫していた。
 
スタバには豊穣と美の女神フラペチーノが住んでいた。フラペチーノは土着の民、丸の内OL を中心に多くの信仰を集めていた。
 
信者たちは、バニラ・クリーム・フラペチーノにチョコチップとソースを追加してオレオ味にしたり、ダーク・モカチップ・フラペチーノにヘーゼルナッツシロップを加えたりして、日々の労働の疲れを癒し、宴を楽しんでいた。
 
数百年のあいだそんな平和な日々が続いたが、突如として平和は打ち破られた。ダイエット教の伝来である。ダイエット教は主神スムージーを中心にした多神教であり、みなぎる生命の元、カロリーを多く含む神を邪神として崇め、民衆が潜在的に持っていた太ることへの不安を煽り、徹底的に迫害した。
 
それはスタバ信仰とて例外ではなかった。休息の神、カフェラテはミルクをソイ替えられ、豊穣と美の女神フラペチーノは不買運動が起こり、彼女の力は弱まった。
 
以上が美と豊穣の女神フラペチーノとダイエット教の伝説です。これは試験に頻出の範囲なのでよく復習しておくように。
 
次回は人々が赤いランプの光を忘れ、ダイエット教に改宗されたあと、権力を手にしたダイエット教会がカロリー制限と引き換えに運動の免罪符を乱発し、最大の邪神リバウンドを呼び覚まし、楽園が終焉に向かってゆく終末観について勉強していこうと思います。要予習。
 
自然現象なんも説明してねえ。