【連載】ゆびがいたくてCardistryができない。あれれ。File.1 :練習時間と対策の概要
Cardistryが流行ってくると、
問題になってくるもののひとつは、
おそらく練習のし過ぎによる手の酷使だと思っている。
私も6時間くらいカット系を練習する日が続くと、
指の付け根あたりが痛くなる日があったりする。
手を酷使してて腱鞘炎になったりしたら、どうしよう。
お布団被って、ふるえるしかないのかな、対策はあるかな?
もしくは、普段から、手を疲れにくくするエクササイズとかないかな?
これらの対策ってあまり調べられてないし、カーディストにとって需要もありそう。
そう思って、軽く調べてみた。
順調に問題提起までいって、このまま順風満帆に筆を進めていこうと思ったけど、
いきなり脱線させます。はい、座礁。
Cardistryに限って練習時間が多すぎるってことはあるだろうか。
カードマジックする人なら、かなり練習しているのではないか。
マジシャンやカーディストの練習時間の統計が厚生労働省とかで調査されていれば、示すのもらくちんなのですが、そんなことはないので、今後に期待するとして、参考値くらいは調べておきましょう。
まず、Cardistryの人がどのくらい練習しているか?
Cuso(Alejandro Portelaだ)がDavid Blanchにインタビューした映像が昔(2011年頃見た)つべにあって(現在は削除済み)、その映像によると、
「んー、学校がある日は6~7時間くらい。休日は、そうさなあ………………12時間くらい!(和訳適当にしました)」
と答えています。1人なので統計的には全く使えませんが、まあ、これを参考値としましょう。
では、対するマジシャンは……。
スライハンドやってる人だけはすごく練習してそうだけど、
プロは営業とか管理とか演出の打ち合わせとか本番とか色々あって、
実際技法の練習にはあまり時間を割いていないのでは……。
と思いつつ軽くググってみました。
調べていると、「プロ駆け出しの頃は8時間くらい、最近はあまり」とか、
「普段練習しなくて、新作作る時だけ15時間くらい籠って仲間とリハーサルする(※ということは技術練習だけではない)」「今でも6時間くらい続けてる」とか。まとまりがねえ。トライアンフみたいに足並みを揃えて。
それでは、まあ思い切って、こちらもスライハンドゴリラじゃないプロで有名な方の一人に絞りましょうか。というわけで、前田知洋さんを見てみる。
2007年時点で、隙間時間を利用して4~10時間くらいと回答していました。
プロは忙しくて、純粋な技法は1時間もやれば多い方かなと思っていたので、すこし意外。
まあ、平日6~7時間、休日12時間に対して、コンスタント4~10時間であれば、
多少Cardistryやってる人の方が練習しているかな、という結論です。Cardistryが特別な訳じゃなさそう。
しかし、マジシャンも腱鞘炎になる方もいると聞くし、調査は続行して良いでしょう。
まじで、なんのために調べたんだ……。脱線以外の何ものでもなかった……。
ちなみに(まだ脱線します)、スライハンドやってるマジシャンの極端な例はどうなのかというと、リチャード・ターナー氏を見れば良いでしょう。
最近、「一番だけが知っている」に出演したので、ご存知の方も多いですが、ギャンブリングテクニックが得意な全盲のマジシャンで、1日16時間の練習の生活を15年続けたらしい。漫画かよ。
Dealtというドキュメンタリー映画になってて、マヌーヴァさんから日本語字幕版がでているようです。
ダンベル持ちながらカードいじるとか、漫画かよ。
そっちがその気なら、こちとら、カードセット100回して寝るぞ。
ところで、練習時間以外に、
カードマジックの技術では力を抜いて行うことが良いとされる。
指が痛くなってきた、ということは、力を掛け過ぎているので、適切に技法が行えていないと上手な人からアドバイスされることが多い。
Cardistryの場合もうまくなると力が抜けてくるというが、けっこう保持に負荷がかかる技が多い気もします。どうなんだろ。
脱線を続けたせいで、1500字を超えてしまった。話を戻そう。そろそろ、読者の限界(ストレス? 尿意? オフィスを抜ける時間?)が来ているでしょうから、今回は対策の概要だけ示して、詳細は次回に回しましょう。
・腱鞘炎について
2017年に一般向けに腱鞘炎対策の本が出てました。高林孝光 著『腱鞘炎は自分で治せる』です。この本を種本として、カーディストに重要なエッセンスの部分だけ抽出して紹介します。他にも本が見つかったら随時紹介します。
・手のエクササイズについて
Cardistryをかじった人なら、Trilogyにfinger excercisesが紹介されているのは有名過ぎるので、ちょっと違う方法を紹介する。Greg Irvinさんという40年以上手の健康に携わっている方のfinger fitnessです。これは、私自身興味があったので、自分で試しながら紹介できればと思っています。たのしみ~。
Zachが紹介して一躍有名になったfinger tutingのちょっとゆるい版という印象です。
以上、2つの方向で攻めてみます。乞うご期待!
では、また。
というか素直に練習やめればよくない?
ねえ、いっしょに練習サボっちゃおうか。うふふ。